ファッション業界ではもはや伝説となっているマルタンマルジェラ期のエルメスでデザインソースとされたライナーコートです。
　1950年代のもので、元々は米国陸軍のM-50コートのライナーとして使われていたものです。
　現代のよくあるライナーはナイロン製で中綿が入ったものが主流ではありますが、こちらはウールとナイロンで構成され、他のライナーとは一線を課すものとなります。全体的に丈が長めで、コートのスリットに合わせてバックにスリットが入っているため、全体的にドレープがかかったAラインのシルエットになります。また、背面にダーツが入り、ライナー製作のテクニック上、これ以上手の込んだ作りをしているものはありません。カーキーの色合いに対して、シルエットが美しく、しかもダーツ入りという相反するバランス感が1950年代製にも関わらず非常に現代的な印象を持ちます。こうしたバランス感からマルタンマルジェラはエルメスのコートにした際にデザインソースにしたのかもしれません。
  我々も長きに渡り古着を見てきていますが、こちらも数回しか出会ったことがありません。マルジェラ期のエルメスにてデザインソースにされたことも相まって今後入手することが非常に困難になることが予想されます。我々としても次入手することができないものと思われます。
　なお、サイズに関してはメンズのL相当となり、普段Lサイズを着られている方はジャストになり、普段Mサイズを着てる方はゆったりめとなります。厚手のインナーを入れても問題ないと思われます。
着丈104cm、身幅57cm、（肩幅46cm、袖丈55cm）※
※ショルダー部がラグランのため参考値となります。
　こちらではプロクリーニング仕上げを行い、お送り致します。