Martin Margiela Archive②
Martin Margiela 6ライン本来女性のためのコレクションラインとして位置付けられており、現在でもMM6としてデザインチームが活躍しております。過去にはCORSO COMOとのコラボレーションしているのも往年のMartin Margiela好きの方は記憶にあると思います。しかしながら、今回ご紹介するのはMartin margiela 6ラインでは珍しいメンズアイテムです。タグはここのえ表記(ここのえ表記は2000年以降)でないことを考慮すると、幻の99 Martin margiela⑩と同時代と断定できます。
さて、当時のMartin margiela6ラインはミリタリーものをコットン生地でサンプリングしたものが大半です（エルメスマルジェラのコート、フランス軍M-96のコットンバージョンもあります）。今回ご紹介するのは、フランス軍の名作M-47ジャケットをブラックコットンでサンプリングし、チェストポケットを斜めにしており、ミリタリーの男臭さをバランス感によって打ち消しております。フロントZIPは往年のMartin Margielaらしくriri zip、フロントボタンも往年のMartin Margielaらしい大径のメタルボタンです。この大径のメタルボタンは、かつてバービー人形の服をヒューマンスケールにしたコレクションの時から使用されているもので、メンズで使用されるのはかなりこの年代のものでないとございません。タグは白タグに6と表記を入れただけ、タグをめくるとMartin Margielaと表記があり大変珍しい仕様です。面白いことにMartin Margiela 6ラインはこの頃から白の水平ステッチでタグを留めていることで、ここだけは現在のMM6に繋がるところです（メンズの皆さん、水平ステッチについてはMM6のお姉さんに聞いてみて下さい）。この後から数々のミリタリーをサンプリングし、斜めのチェストポケットを使用したMartin Margielaの名作カーコートを生み出したと考えると非常に感慨深いです。最古のMartin Margiela 6のメンズなど、どこにもない大変貴重なアイテムです。
サイズに関しては表記44ですが、この時代のMartin Margielaは現在と比べるとサイズが1〜2サイズ大きく、身幅広めで、メンズLサイズに相当します。しかしながらMartin Margiela曰く「ファッションは肩から決まる」(Martin Margiela: In his own wordsより)と言うほど、肩のラインを美しく見せるよう、肩幅を狭めにしております。下記の寸法を参考にご検討ください。
着丈80cm、身幅53cm、肩幅42cm、袖丈60cm
ディテール、サイズ感などを紐解くと、本当に古着は面白いです。
こちらではプロクリーニング仕上げでお送り致します。